成長企業の秘訣

88歳になる母の教え 1 ― 謙虚に学び、支えに回る美しい転換 ―

組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。

社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。





明治生まれの祖母から聞いたと

母が子供のころからよく言っていました。


居候三杯目にはそっと出し


他人の家に世話になっているなら、三杯目のご飯をおかわりする頃には

少し遠慮して“そっと出す”くらいの心でいなさい、という意味です。


今では、居候文化も見なくなったように思います。

子どものころは、ただのマナーの話だと思っていました。

けれど今、経営や組織づくりに携わるようになって、

この言葉の深さに気づきます。


最初の一杯目は、学びと感謝の時期です。

まだ何もできず、人に助けられながら育っていく段階。


二杯目は、期待に応える時期

任されたことをやりきり、力をつけていく。


そして三杯目――

それは、“支えられる側から支える側”に立つ時です。


人は成果を出すほど、前に出たくなります。

しかし本当の成熟は、前に出ることではなく、

一歩引いて場を整える力を持つことです。


たとえば、若い社員の挑戦を静かに見守る。

会議であえて発言を控え、他者の成長を促す。

あるいは、誰かの失敗を責めず、背中を押す。


「そっと出す」とは、謙遜ではなく、

次の世代や仲間に主役を譲る勇気のこと

それは、自分が築いた器に

“他者を招き入れる”ような美しさです。


成熟とは、もらう喜びより、返す歓びを知ること

三杯目をもらったら、茶碗を下げる。

その静けさに、人の品格が宿ります


この言葉を胸に置くと、組織の風景が変わります。

誰かの努力に感謝し、他者の成功を心から喜ぶ文化が生まれる

“支え合う関係”が、企業の底力をつくるのです。


 

「居候三杯目にはそっと出し」。


それは、謙虚さと誇りが同居する、日本人の成熟の作法であり


謙虚さの中にある、リーダーシップの原点なのです。

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