後継者が持つべき静かな覚悟 とは
組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。
社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。

前回お届けした
「居候三杯目にはそっと出し」を
後継者向けに絞って書いてみました。
後継者と言いながら、
部署移動の多い管理職向けにも
なっていると思います。
会社を継ぐということは、
まさに“居候”に似ています。
創業者や先代、古参社員が
築き上げた家に入れてもらう。
最初は遠慮しつつ、
歴史と空気を感じ、
少しずつ自分の呼吸を合わせる。
そのうちに、
意見も持ち、
やりたいことも湧いてくる。
二杯目の段階である。
そして、
多くの後継者が戸惑うのが、
三杯目のタイミングだ。
「そろそろ自分の色を出したい」
「改革したい。スピードを上げたい」
そんな気持ちが高まるほど、
人は前に出たくなる。
だが、ここに落とし穴がある。
前に出るほど、
周囲の心が離れることがあります。
“そっと出す”とは、
引くことではない。
自分の正しさをぶつけず、
相手の歴史に敬意を払うという姿勢だ。
「ここまで会社を守ってくださり、
ありがとうございます」
この一言は、
過去を否定せず、
未来につなぐ鍵になる。
後継とは、
過去を壊す役目ではなく、
未来へ渡す役目だ。
そのためには、
主役を奪うのではなく、
支えてきた人たちの誇りを守りながら、
流れを変えていく必要がある。
三杯目をもらったら、
茶碗を下げる。
その仕草は、
敗北ではなく、
継承の美学である。
「自分が変える」のではなく、
「皆で変わる場をつくる」。
その静かな覚悟が、
組織に信頼を生み、
やがて後継者自身を
自然と中心に押し上げてくれる。
焦らなくていい。
実績は声高に語らずとも、
誠実な姿勢と敬意は、
必ず人の心に残ります。
譲る強さ、待つ度量、支える誇り。
“そっと出す”後継者の背中は、
やがて誰よりも大きく見えます。
どの支援先の後継者も
リスペクトしている自分がいつもいます。
だって、そばで見ているだけでも、
凄いことをやっているからです。
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