猫を追うより、皿を引け
組織と仕組みづくりパートナー/中小企業診断士の蛯原健治です。
社長がいちいち言わなくても、社員が勝手に動いて利益が2倍になる組織作りのコツをお届けします。

「― 人を責めても、組織は変わらないんですよねー」
先日、ある経営者の方が、ぽつりと漏らしました。
「ほんと、やってほしいことをやらないんだよね。
自分の役割と思っていること以外、本当に動かない。」
うん、これ、よく聞きます。
そして多分、どの会社でも同じように起きています。
でもこの嘆き、
“社員の意識が低い”とか
“やる気がない”って話じゃないんですよね。
ここを人の問題として見始めると、終わらないんです。
なぜかというと、
人って叱っても変わらないからです。
叱れば、その瞬間は動く。
叱って何をしたらよいかを伝えるから。
でも三日もすれば元に戻る。
また同じ注意をして、また同じ説明をする。
これ、どの会社でもループしてます。
で、経営者は「またか…」と猫を追い始めるんです。
でも、猫は追えば逃げるんですよね。
追うと逃げる。
逃げるから追う。
まさに組織の“鬼ごっこ”です。
でも本当の問題は猫じゃなくて、
皿(=仕組み)がそのまま置いてあることなんです。
社員が「自分の役割以外やらない」のには、
必ず“裏側”があります。
・役割の線が曖昧
・依頼の仕方がバラバラ
・やっても評価されない
・やらなくても誰かが尻拭いしてくれる
・情報が見えていないので、気づかない
こんな環境にいたら、誰だって動きません。
誰がやっても同じです。
だから、社員を責める前にやるべきは、
「皿を引く」ことなんです。
・誰が何をするのか、明確にする
・依頼の流れを一本化する
・やった事実が評価に反映される仕組みをつくる
・情報を“見える化”して、察しなくても動けるようにする
すると、不思議なほど社員の行動が変わる。
叱って変わらなかった人が、
仕組みを変えるだけでスッと動き出すんです。
これが、組織の面白いところで、
“人”を変える前に“前提”を変えると、
勝手に動きが変わるんですね。
経営って、人を追いかける仕事ではありません。
追わなくてもいい仕組みをつくる仕事です。
猫を追うより、皿を引く。
その視点に立った瞬間、経営は一気に軽くなります。
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